私の出会ったアラスカ⑤ ビーバー村

小さなセスナが飛んできます

星野道夫さんの《旅をする木》の中に、ビーバーの民という話があります

星野さんがアサバスカン・インディアンの古老を訪ねる旅で
一緒に旅をするインディアン、ウォルター・ニューマンさんが育った村

この村をつくったのが日本人、フランク安田さんという方だということを
私はそれまでしりませんでした



明治元年、宮城県石巻町に生まれた安田恭輔は15歳で両親を失う。
外国航路の見習い船員になり、やがてアラスカのポイントバローに留まった彼は
エスキモーの女性、ネビロと結婚してアラスカ社会に融けこんでいく。
食糧不足や疫病の流行で滅亡に瀕したエスキモーの一族を救出して、
アラスカのモーゼと仰がれ、90歳で生涯を閉じるまで日本に帰ることのなかった
フランク安田の波瀾の生涯を描く

新田次郎著　《アラスカ物語》の紹介で、
カバーには星野さんの写真が使われています（文庫本）


村の中を歩いてまわりました


飛行場です


飛行機が着陸すると、荷物や郵便を待つ人々がスノーモービルで集まります

歩いていくと


郵便局です


笑顔が素敵な郵便局員さん、名前は・・・ジェームスさんだったかな？

向かいにあるのは

学校です
小学校から高校まで通えるそうですが、今現在子供は10人前後


玄関には日本語で『ようこそビーバーへ』と書いてあります

東日本大震災以前はフランク安田さんの故郷、石巻の小学校と交流があったそうです
今は途切れてしまっている子供たちの交流
なんとかまた復活してほしいです
石巻だけでなく、今日本の子どもたちに1週間でもいいから
ここに滞在して、ここの暮らしを体験してもらえたら
きっと一生忘れられない経験ができるのだろうと思います

今の私がそうであるように……


運動しているそうです♬


墓地です


そしてこれがフランク安田さんと奥さんのネビロさんのお墓です
フランク安田さんのお墓には富士山が描かれているそうです


ここがフランク安田さんが住んでいた家
今はもうほとんど朽ちかけています


毛皮の取引が行われた交易所


村の大事な発電所、地下水の汲上げ場所
電気はここで自家発電され各家庭へ


水は各自がここに汲みにくるか、ユーコン川の氷の下から汲みだします




教会もあります
雪が融けたら、ここは村の人たちの憩いの場所になるのかな～




村の家々
遠くにいるワンコにいつも吠えられていました(^▽^;)


春になってこの巣箱に小鳥がやってきたら嬉しいですね


この家は90年以上前に建てられたそうです

中を見ることができるとのことなので


１６０㎝程の私の頭があたる小さなドア






たくさんの荷物が置かれていますが、夫婦で暮らしていたのでしょう
今でも住んでいた人たちの姿を思い浮かべることができそうな小さな家でした


声をかけてくれたトーマスさん・・・だったかな

人の名前が覚えられず、すみませ～ん(>_<)




アラスカで見る日暈


ビーバー村はユーコン川の北のほとりに位置し、
隣村のフォートユーコンから南西へ９６キロ、フェアバンクスから北へ１７６キロ、
北極圏からは南へたった２０キロという場所にあります

村の人たちは８０％が自給自足で成り立っているそうです
狩猟、わな猟、漁業、ベリー採取等で生計を立てるとともに
学校や役場職員、毛皮や伝統工芸のビーズワーク等の
工芸品販売で現金収入を得ているそうです


次回はそんなビーバー村での生活を
クリフ、あいちゃんたちに教えてもらいます

私が出会ったアラスカ④ Northern Lights

私がその姿を見ることができたのは、

アラスカに到着してから１週間も経った夜でした

（普通の旅行だったら見られずに帰るところでした…）


９日夕暮れ

青空で星も出始めました


オーロラが出なくても星空が美しいので一旦外へ
２１：００頃です

８日からアメリカではサマータイムが始まっていて
朝８時と思ったら９時・・・なんだか１時間損した気分になりました
とても不思議で慣れない数日を過ごしました


反対側の写真を撮ると、
目ではほとんど確認できませんでしたが
後でうっすら写っているオーロラに気づきました

写真で見るオーロラはグリーンが多いと思いますが
目に見えるオーロラは白っぽく明るい霧のようなものが星空を流れています


夜中１：１１　うたた寝から目覚め、外を見ると白い帯が流れていて
とにかく着られるだけの服にタイツ、靴下、手袋で外へ

初めて自分の目で見たオーロラ　Nortyern Lightsです


オーロラは一瞬も同じ姿をとどめることなく動き続けています


月は上には上らず、地平線を平行移動しています








１０日の夜、私は１人でユーコン川の上から写真を撮っていました

音のない世界

カーテンのように折り返し、広がり、流れていくオーロラの流れと

自分の鼓動が重なり

私は自分がこの宇宙に属しているのだということを信じられました

低い遠吠えがはるか遠くの森の中から響いてきました

オオカミのいる世界

急に鼓動が早くなり、

恐ろしいという感情と嬉しいという気持ちが爆発しそうになりました

その後は村中の犬が共鳴しているのか警戒しているのか

ずっと吠え続けてくれたので

私はなんだかその声に安心して写真を撮っていられました






次は日本とも縁のあるビーバー村の様子や生活を！

私の出会ったアラスカ③ ビーバー村へ

星野道夫さんの著書『旅をする木』の中に《ビーバーの民》という話があります

アサバスカン・インディアンの古老たちを訪ねる旅で
星野さんと一緒に旅するウォルター・ニューマンさんという方の育った村

そして『アラスカ物語』の主人公、フランク安田さんが作った村です

日本とも縁のあるこの村に、縁があってお嫁にきたあいちゃん

あいちゃんとのご縁でビーバーにやってくることができました




ワービローズ空港からは最大９人乗り（？）のセスナです
この日はなんと貸切！！！
ビーバーまでは４５分、往復２６２＄です

乗客がいれば上流のフォートユーコン（ここは北極圏です）や
下流のスティーブンスに立ち寄ることもあるそうです
北極圏、越えてみたいですね！



あいちゃんが教えてくれた　ホワイトマウンテン
ブッシュパイロットのドン・ロスさんと星野さんが夜間飛行した山脈


そして見えてきたのは
全面結氷した大河、ユーコン川と
ほとりにたたずむ、人口５０人にも満たない小さな村、ビーバー

胸が熱くなって、思わず涙がでそうになりました


空港に着くと、あいちゃん、いきなり停めてあったスノーモービルに乗り
慣れたハンドルさばきで私を後ろに乗せ、５分もかからずに家に到着！



アダムス家に到着です


そして私が１２日間お世話になるロッジ


リビング


そして私が使わせていただく部屋


３つある部屋の鍵にはあいちゃんの作った素敵なキーホルダー
私の部屋は・・・もちろんBEAR


後日撮った写真ですが、あいちゃんとご主人のクリフです
クリフはグッチン・インディアンだそうです

お世話になります！！


この日の夕食はクリフが５時間かけて煮込んでくれたムースのスープ
スープを口に入れると、ムースの甘い油が溶け込んでいてとても美味しい
お肉も臭みなんて全くなく、今まで食べたどのお肉よりも美味しかったです


ビーバー村は北極圏に近く
気温もフェアバンクスとは比べ物にならないくらい寒いです
私の滞在中、最低気温はー４０℃でした(◎_◎;)

到着したこの夜、え～吹雪いてました・・・



翌７日朝、私はアラスカに来て初めて朝陽が昇るのを見ました

これから、これから！！

私の出会ったアラスカ②

３月５日　小雪時々曇り

アラスカに着いてからずっとこんな天気で、
オーロラ…当然ですが見えません(>_<)

いやっ、まだ３日目
まだまだこれから！！

とりあえず、夜はゆっくり寝ているので、体を動かそう！！！

ということで、昨日休みで『ソリやったらとっても楽しかったから今日も行く！』
というオレンジ小人、wikiちゃんに着いて行くことに


入口で出会った方たちは雪像作り中！
『なぜ牛？』と思いましたが、クオリティ高い＼(゜ロ＼)(／ロ゜)／


最初、こんな感じでしたが、

徐々に


Tシャツ～！！
雪が舞ってますが、結構な斜面を登るので、暑いんです！


途中数十羽の群れで飛んでいた、赤い鳥
調べてみましたが、アカマシコ？ギンザンマシコ？
でもとても綺麗な赤色の鳥でした


約２時間かけてようやく山頂に着きました
天気がいい時は周辺の山並みが３６０℃見えるそうですが、真っ白(^▽^;)


オーロラがでそうな日は雪上車で約３０分かけてこの場所に来て
ゲルの中で待ちながらオーロラ観測ができるそうです


それでは


１番手


続く２番手

とにかく半端ない斜面をほとんどブレーキもかけられずに滑走するんです
私は必死に足ブレーキをかけているんですが、かけたときの雪の塊が全身に飛んできて
本気で息が苦しくなって死ぬんじゃないかと思うほどでした・・・・(ﾟДﾟ;)




最後の斜面は私が１番に滑らせてもらい、２人待ち
でもレンズが雪でグシャグシャでした

２時間かけて上った丘をたった１５分で滑り降りてくる
う～ん、山にスキー担いで何時間も登って
１０分で降りてくる気持ちがちょっとだけわかった気がしますわ～

叫んで、滑って、転がって、とっても楽しかったです



おっ、馬がいる！夏の乗馬用の馬たちですね！！


昼食後は自由時間


私はまた犬たちを見に行きました


尾瀬みたい！でもここのクマはグリズリーもいるからね～
この時期はまだ冬眠中なので大丈夫そうです





普段の犬たちはこんな感じでのんびり

でも犬ゾリひいて１周してきた犬たちは



全身から湯気が出ていて、ものすごくかっこいいんです
で、暑いから雪に顔を突っ込んで雪を食べる！


本当に走るための犬たちです


アラスカでは犬ぞりのレースが冬の間いくつも行われているそうです
一番過酷と言われるユーコンクエストや一番長距離なアイディタロッド
これらのレースに日本人女性の本多有香さんという女性が参加していることを
昨年、彼女が出版した【犬と、走る】（集英社インターナショナル）
という本で知りました
２０１２年にユーコンクエストに、
そして今年、まさにこれから始まるアイディタロッドに本多さんが出場するそうです
今、調べたら本多さんは１２日間かけて約１６００kmを無事完走したそうです
新潟出身の女性が一人でカナダに住み、世界的なレースに出場しているなんて
本当に素晴らしいことだと思います
彼女にもいつかぜひ会ってみたいです！！！


一緒に犬ぞりを見ている方の中には

ああ、素敵なご夫婦


日本人の２人は偶然アンカレッジからフェアバンクスまでの機内で
私の前の席に座っていたご夫婦で、この後たくさんお話しもさせていただきました


トレイル脇の枝先では

アカリスくんお食事中


あっ、落とした(≧▽≦)

まさに『あっ、落としたっ』というリスの呆然とした表情が可愛くて、
１人で吹き出してしまいました



ムースやカリブーの角のモニュメント


それではまたあのソファへ

あいちゃんベアになってるよ(≧▽≦)

あいちゃんはネイティブの家庭に昔から伝わるビーズワークの作家さんでもあります
ベアのしているバッグや手袋のビーズ刺繍はすべてあいちゃん作


時間があれば、丁寧にひと針ひと針、細かい作業を行っています
モチーフはアラスカの州花でもあるワスレナグサだそうです


外は湿った雪が舞っていますが、オーロラ観測の雪上車がでるようです
う～ん、見られる気がしない・・・・((+_+))



結局３泊のチナでは、夜、一度も晴れることがなかったです



出発の朝



アクティビティセンターの中

まだ夜明け前のため人も少なく、静かな出発になりました
４日間、３人の女の子たちだけでなく、
マネージャークラスの日本人スタッフの皆さまにも本当にお世話になりました





再び１時間も遅刻してきたヌルタイさん

理由は


道路脇にいた、このムースを撮影していたそうです！！
まあ、そのおかげで私たちもムースを見ることできたから許すことにしよう
タクシーの中からでしかも広角レンズしかつけてなかったのが残念
この時期はもう角が落ちているのでこのムースがオスかメスかはわかりませんでした


その後、フレッドマイヤーという郊外のとっても大きなスーパーで食材を買って
スポーツ用品店や手芸屋さんなどに寄ってからワービローズの空港へ


これから１２日間、あいちゃんの住むビーバー村で滞在です

これからが本番！！！

私の出会ったアラスカ

３月３日　１６：３５成田出発



５０歳にして初めての海外１人旅、
しかも英語がまったく話せない私にとって
それは本当に大きな決断でした
でも、いろいろなご縁が繋がって
私はこうして旅立つことができました



入国は大都会シアトル


入国審査のために準備した言葉は
観光（Sightseeing）と２５日間（２５days)
なのに宿泊先を友人宅にしていたため
聞かれた質問がまったく違い・・・
友達の名前はなんだ？という質問にかろうじて答えられたくらい



アンカレッジで乗り継ぎ、約１７時間かけようやくフェアバンクスに到着
現地時間１５：３０過ぎでした


友人が予約してくれていた日本語OKなタクシー運転手ヌルタイさんが迎えに来てくれ
急きょ、これから３日間泊まるチナ温泉へも一緒に来てくれるという友人を迎えに
ワービローズという小型旅客機の空港へ


一旦荷物ごとポ～ンと降ろされ、１時間半放置されました


そして１７：００過ぎ、友人がセスナから降りてきて
その時の嬉しさと言ったら！！
いっぱいハグして、それから３０分以上遅刻してきたヌルタイさんに送ってもらい
１２０キロ離れたアラスカ屈指の温泉観光地、チナホットスプリングへ
この日はすでに２２：００近かったのでとりあえず温泉に入り就寝






友人、あいちゃん（Ai　Yakai　Adams）


アラスカ物語の舞台になったビーバー村のグッチンインディアン、クリフと結婚し
今はビーバー村で暮らすとても素敵な女性です

Ai Adams photography
彼女の撮った素晴らしい写真が見られるFacebookページです

尾瀬で働き、その後このチナホットスプリングで１年間働いたえりちゃんが紹介してくれ
昨年１１月に帰国したあいちゃんと初めて会いました。
２人とも星野道夫さんに影響を受け、アラスカに憧れていたので
私は彼女がこうやってアラスカの地で暮らしているということがとても嬉しく
一回り以上年下の彼女のことが大好きになりました
今回、こうしてアラスカの地を訪れることができたのは
間違いなく、彼女たちのおかげです


とりあえず最初の３日間はのんびりアラスカに慣れることに！
気温はちょうど会津と同じくらいで、まったく違和感なし
まるで会津にいる感じで、とってもリラックスできます



チナで一番楽しみにしていたのは犬ぞりの犬たちを見ることです
観光用ですが、ここには９０頭の犬がいるそうです！！


あいちゃんに遊んで～♡と言ってます




犬ぞりの準備が始まると、犬たちはじっとしていられません
このきれいな女性（３人いるそうです）は
犬たちの性格や体調などを把握しながらそりにつなぐ犬を選び
そして走らせる、マッシャーと呼ばれる存在です


繋がれていたときとは顔つきが違う！！！


凄いスピードです

それにしても犬たちの活き活きとしている顏
本当に走るための犬なんだな～、凄い！！


リゾート内も散策してまわります

実はこの温泉リゾートは地熱発電でリゾート内の電力を１００％自家発電するだけでなく
温室菜園プロジェクト、再生可能エナジーセンターなどがあるそうです
実際、この季節にレストランで提供されるお料理には
たくさんの新鮮な野菜が使われていてとても驚きました
次回、機会があればそういう施設見学もしてみたいですね



朝散歩で最初に出会った動物はカリブー（トナカイ）でした
飼育されていますが、森の中から出て来た時にはうわ～～～っ！！でした


ハロウィンで使われたのかな？
カボチャの上にはもっさり雪の帽子


ロッジの玄関先にはカリブーやムースの角が飾られています


曇り空、時々雪ですが、一瞬青空がでました


頭が黄色のキツツキがすぐ目の前にいました
American Three-toed Woodpecker アメリカミユビゲラかな～♡


ここでの目覚ましはこのアカリスたちの鳴き声
初めて姿を見たのはたくさんのコケを加えて動き回っていたこの子


ニワトリや他にもヤギ、馬、カモ、アヒル等がいます
これも自給自足の一環かどうかわかりませんが、
卵とかとれたらいいですね



私たちがこのリゾートで一番ゆっくり時間を過ごした場所がここ
アクティビティセンターです

ここには３人の日本の女の子たちが研修生として１年間働いています
その様子は《チナ温泉日記》というブログで見られますよ


バリスタ０８ちゃん
カッコいい女性という感じがします
さっぱりしていて好きだな～♡

名前はブログ内のハンドルネームで！


wikiちゃんまたの名をオレンジ小人ちゃん
彼女とは翌日一緒にソリを持って山登り（他の人に言わせれば丘上り）に出かけます


muちゃん
到着した日も最後の日もセンターにいてくれたのは彼女でした


このソファがくつろげるんだな～♡
午後からはほとんど独占していたかも・・・


本当にここでの３日間はゆったり、のんびり
思い切り遊んでいました
もう１回、チナでのお話を！